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大学院生の研究発表が日本農芸化学会トピックスに選定


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2020年3月の日本農芸化学会2020年度大会(※)においてWeb発表した山本深月さん(当時:大学院薬食生命科学総合学府食品栄養科学専攻博士前期課程2年 食品化学研究室所属)の研究が、このたび大会トピックスに選定され、優秀ポスター発表演題としても選出されました。
※日本農芸化学会大会は年1回開催され、2,500以上の演題が発表される、国内でも大規模な生命科学系の学会大会です。2020年度大会は新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、Web掲載形式での発表となりました。学術的?社会的インパクトの観点において各分野で最も優秀な演題が大会トピックスとして選定され、トピックス集として各報道機関へ無償配布されます。

賞状を受け取った山本さん

<演題>
「甘味タンパク質の全網羅ペプチドライブラリーを用いた“コク味”受容体相互作用領域の解析と高活性ペプチドの創製」 山本深月1、寺田祐子2、伊藤圭祐2(1 大学院薬食生命科学総合学府 食品栄養科学専攻、2 食品栄養科学部 食品生命科学科 いずれも食品化学研究室)

<成果の概要>
本研究では、舌の味蕾にある“コク味”の受容体を、鶏卵に含まれるタンパク質が活性化させることを発見し、また、タンパク質を構成する全てのペプチド領域を網羅的に解析することで、活性化に寄与する分子表面の領域を特定しました。さらに、見出された領域の化学構造を基に、鶏卵タンパク質よりも80倍高機能な“コク味”成分の創製に成功しました。

<トピックス性>
従来の常識では味への寄与が無いと考えられてきたタンパク質成分が、実は、おいしさを左右するほど重要な“コク味”の機能を持つことを初めて示しました。また、“コク味”成分を創製する新しい方法論を確立しました。

<期待される波及効果>
おいしさに寄与するタンパク質の機能が具体的に示されたことで、食品の味の理解と分子設計に新しい視点、コンセプトが提案されました。本研究を元に、味改善素材としてのタンパク質の新規用途開発が進み、科学的根拠に基づいたおいしい食品の開発が可能となると期待できます。



【関連リンク】
食品化学研究室
http://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/foodchem/(外部サイトへリンク)

食品栄養科学部 食品生命科学科
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/dfsb/(外部サイトへリンク)

食品栄養科学部(大学院食品栄養科学専攻)
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp(外部サイトへリンク)



(2020年8月4日)

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