必威体育_必威体育app-【官网下载】

图片

グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



2019年度入学式を開催しました


ホーム >  ニュース >  2019年度入学式を開催しました


学部?短期大学部?大学院 合同入学式

4月9日、静岡市駿河区のグランシップで、学部?短期大学部?大学院の合同入学式を開催しました。学部生675人、短期大学生138人、大学院生132人、計945人が希望を胸に新たなスタートを切りました。
鬼頭宏学長は「誇りと自信をもって『地域をつくる、未来をつくる』主人公として、大いに研鑽(けんさん)を積んでいただきたい」と式辞を述べました。
新入生を代表し、看護学部の澳本瑠夏さんが「新たな出会いを大切にし、勉学はもちろん様々なことに挑戦していきたい」と抱負を語りました。
入学式に続き、チアダンス部、アカペラサークル、ジャズダンス部のクラブ?サークル紹介を行い、在学生が新入生を歓迎しました。

式典の様子

誓いのことば

歓迎のことば

クラブ?サークル紹介

学長式辞

学長 鬼頭 宏

静岡県立大学、大学院、そして短期大学部に入学された945人のみなさん、入学おめでとうございます。全教職員を代表して、諸君の入学を心よりお祝い申しあげます。
ご家族の皆様には、ご子弟の入学をお祝い申しあげるとともに、ここまでお育て下さったことに対して、労いの言葉を差しあげたく思います。
本日は、静岡県知事川勝平太様はじめ、多くのご来賓に臨席いただいております。年度始めのお忙しい折にご来臨いただきましたこと、厚く御礼申しあげます。

本学は1987年に、静岡薬科大学、静岡女子大学、静岡女子短期大学の三校を統合して設立されました。今年で、開学32周年を迎えました。源流となった、大正6年開学の静岡女子薬学校から数えると、102年の伝統を持つ高等教育機関です。静岡県立大学は、これからどのように変わろうとしているでしょうか。今日から、知の共同体であり、知の拠点である本学の一員として加わった皆さんに、私たちが目指していることをお伝えしようと思います。

今、日本では少子高齢化が進み、人口減少が続いています。その結果、地方消滅が起きることが懸念されています。しかし未来を悲観しているばかりであってはなりません。フランスの哲学者アランは「悲観は気分に属し、楽観は意志に属す」と言っています。むしろ人口減少の時代こそ、チャレンジの時代であり、新しい時代への変化の兆しが動き出した時代だという発想の転換が必要です。ひとつの歴史的な例をあげましょう。
ほとんどの方は田沼意次の名前を知っていることでしょう。今年、生誕300周年を迎える田沼意次は江戸時代9代将軍家重、10代将軍家治に仕えました。あれよ、あれよと言う間に出世して、大名にとり立てられます。その城は遠州相良、現在の牧之原市に築かれました。権勢を誇った「田沼時代」は1767年から86年にかけて足掛け20年続きました。ところが将軍家治が死去すると、手のひらを返すように、老中を辞任させられ、降格、減封、そして財産も没収されてしまいます。相良城も打ち壊されてしまいました。
時あたかも天明飢饉に見舞われた時代です。18世紀初頭に始まった人口減少が一段と進んだ時代でもあります。田沼といえば賄賂政治を思い起こすという理由で、日本史上の三大悪人の一人に数えられた時代が長く続きました。しかし今では評価が変わってきています。人口減少が深刻だった18世紀半ばは、農村で工業化が進んだ時代でした。田沼は、こうした変化を押さえ込むのではなく、変化へ適応するように貨幣制度を改革し、市場経済や商工業に目をつけた革新的な財政政策を実行したのです。また蘭学を保護しました。杉田玄白、前野良沢がオランダの医学書から翻訳した『解体新書』が出版されたのが、1774年、田沼時代の真っ只中でした。エレキテルで知られる平賀源内も田沼時代を代表する人物でした。観察と経験に基づいた医学、科学がようやく広がりだしたのが田沼時代なのです。また18世紀末期の四半世紀は、諸藩が学問を奨励し、幕末?明治初期についで、多数の藩校が開設された時代でもありました。こうしてみると田沼時代は、明治維新に先駆けて、徳川社会の中から近代化が始まった時代、「徳川近代」への出発点になった時代と言えないでしょうか。
2015年に、伊豆韮山の製鉄用反射炉も含まれる「明治日本の産業革命遺産」(23遺産)が世界遺産に登録されました。これらの多くが着手されたのは、明治ではなく、1850年代以降の幕末期でした。製鉄、造船、大砲製造、石炭採掘などの欧米の近代技術を、幕府や諸藩が競って導入しようとしたのです。アヘン戦争をきっかけに一気に高まった近代技術導入競争の背景には、田沼時代に培われた経験主義的な科学の土壌があったと考えないわけにはいきません。

静岡県立大学が目指していることについてお話しします。本学は「地域社会と協働する、広く社会に開かれた大学」を理念の一つとしてうたっています。そして「県政や産業界との連携を図りながら、卓越した教育と高い学術性を備えた研究による成果を還元」することを目標の一つとしています。私はこれを「地域をつくる、未来をつくる」という言葉に置き換えて、モットーとしました。
静岡県は、昨年、総合計画として「新ビジョン」、「富国有徳の美しい“ふじのくに”の人づくり?富づくり」を発表しました。地域を豊かにするとともに、有徳、すなわち徳を備えた人材を育てようということです。品性を身につけること、善や正義に従う行動をすることを、私は本学の教育の重要な目標にしたいと思います。今こそ、静岡県立大学は地域の大学として、地域の核となって、地域を豊かにするアイデアを提供し、次代を担う若者を育てていかなければならない責任を負っていると考えています。
本学は平成26年度から文部科学省の補助金による「地(知)の拠点事業」、いわゆるCOC (Center of Community) 事業として『ふじのくに「からだ?こころ?地域」の健康を担う人材育成拠点』に取り組んできました。豊かな健康長寿社会の実現の担い手を育てることが主眼です。全学共通科目に地元静岡を学ぶことを目的に、20科目以上の「しずおか学」や地域づくりに関する科目を開講しているのも、地域の未来を担う人材を育成するという、本学のミッションの実践にほかなりません。
このプログラムでは、「地域のために、地域とともに」をスローガンに、実践的なコミュニティ?ワーク力を身につけてもらうことを目指しました。コミュニティ?ワーク力とは、地域が抱えている課題を解決するために、世代、分野、職種を超えて「チーム活動」を牽引する能力を言います。昨年3月に、初めて、コミュニティ?ワーク力を身につけたと認定された学生に対して「コミュニティ?フェロー」の称号を授与することができました。これまでに300人以上の学生が認定されています。5年間のCOCの事業期間は3月で終了しましたが、今年度からは自前で継続していきます。

この春、大学にとって嬉しいニュースが舞い込みました。Times Higher Educationという組織が、世界の大学ランキングを調査しています。この機関が、3月27日に日本版ランキングを発表しました。この調査に参加した大学は330校だそうですが、わが静岡県立大学は、第71位でした。昨年は88位でしたから、大きくランクを上げたといえます。
このようなランキングに一喜一憂する必要はないし、それを上げること自体を目的にするのは間違っているでしょう。しかしこの評価を通じて、何が本学の強みであるか、あるいは何が弱いのかを知ることができます。県立大学の場合、学生に対する教育充実度と、教員数や研究活動を含む教育リソースの評価が高い反面、国際性と社会的な認知度で劣っていることが明らかになりました。留学生の受け入れや送り出し、外国人教員比率、県外での知名度が低いのです。
もちろん私たちも国際交流を無視してきたわけではありません。グローバルに活躍できる人材を輩出すること、受け入れることが、地域を強くするものだと考えています。これまでも大学間交流、学部間交流、語学研修の形で、国外35大学と交流をしています。しかし十分な成果を上げるまでには至っていませんでした。そこでこの4月から、国際交流センターを設け、国際交流の一層の充実をスタートしました。
また文部科学省の補助金を得て昨年度からはじまった、「大学の世界展開力強化事業」がいよいよ今年から本格化します。これは、上智大学、お茶の水女子大学と組んで、国公私立の3大学が役割を分担しながら、アメリカの10大学とインターネットを活用した教育プログラムを実践しようという試みです。
今、本学には寄宿舎がありません。そこで、外国からの学生や研究者を受け入れ、地域の人々との交流の拠点となる交流会館を作る計画を立てました。是非皆さんの希望や夢を寄せてください。海外との交流は、自分自身と、地域を見直すきっかけになることでしょう。

世界は「インダストリー 4.0」とか「ソサエティー 5.0」と呼ばれる時代へと転換しようとしています。社会の変化にあわせて、教育も大きく変わりつつあります。本学でも、これまで各学部でカリキュラムの改定を行ってきましたが、今年度は、経営情報学部に観光マネジメントの領域を開設しました。国際関係学部ではグローバルな相互理解、多様な価値観を尊重しつつ平和で発展的な社会の構築に貢献できる人材育成を目指す、新カリキュラムが始まりました。
みなさんはそれぞれに夢や計画を持って入学されたことと思います。静岡県立大学に入学されたことに誇りと自信をもって勉学に励み、夢の実現に向けて努力してください。しかし知識や技術を習得することだけが学習ではない。どうすれば新しい知識や技術を生み出すことができるか、主体的に学ぶことが求められています。また、みなさんが選んだ学部学科で専門的な分野の勉強に努めてください。その上で他の学部学科で学ぶ学生、教職員あるいは地域の方々との交流に努めてください。社会の課題を解決するためには、一人一人が高い専門性と、幅広い教養の裾野を兼ね備えるとともに、チーム?ワーク力が求められます。誇りと自信をもって「地域をつくる、未来をつくる」主人公として、大いに研鑽を積んでいただきたい。健闘をお祈りします。

理事長あいさつ

静岡県公立大学法人 理事長 尾池 和夫

静岡県立大学の学部に入学された675名、短期大学部138名、大学院修士課程112名、博士課程20名の方々、入学を心からお祝い申しあげます。皆さんは、この静岡県立大学を自らの選択で入ってこれらました。公立大学法人の役員、大学の教職員とともに、皆さんの期待に応えるよう、精一杯の準備をして歓迎いたします。
ご家族の皆さま、学習の支援をしながら今まで見守ってこられました。今日の感激もひとしおであろうと思います。心からお祝い申しあげるとともに、入学を機会に、これからは独立した社会人として静かに、しかし、しっかりと見守ってあげていただきたいとお願いします。

皆さんたちの先輩たちには、静岡県立大学の開学以来の卒業生、短期大学開学以来の卒業生、静岡薬科大学の卒業生、静岡女子大学の卒業生がおられ、たくさんの先輩たちが社会で活躍してこられました。
この歴史は、静岡県立大学連合学友会「はばたきの会」を中心とする連携のもとに受け継がれ、それぞれの分野での同窓生による活動が続けられています。

静岡県知事の川勝平太さんが、ご祝辞の中で、世界遺産の富士山のこと、美しさと深さで知られる駿河湾のことなどにも、きっと触れられると思って、私は今日は、少し違った視点から、皆さんに静岡県のことを話したいと思っています。

『ひととき』の今年4月号には、「プラモデルの聖都、静岡へ」という特集があります。プラモデルの出荷額日本一、シェア9割近くを占めるのが静岡市で、毎年開催の見本市「静岡ホビーショー」には世界からバイヤーがやって来ます。これは静岡の地場産業である木漆工芸が背景にあるのだと言われます。「機動戦士ガンダム」はロボットアニメの金字塔です。「第58回静岡ホビーショー2019」は5月11日から駿河区のツインメッセ静岡で開催されます。教育課程の中で「しずおか学」や「ふじのくに学」というような地域への理解を深める目的の科目がありますが、江戸時代からの伝統である工芸から世界的なプラモデルに発展してきた静岡の工芸のことにも、日常生活の中で出会う機会を作って触れてみてほしいと思います。

最近のニュースでは、4月1日、清水港へ久しぶりに、地球深部探査船「ちきゅう」が入港しました。「ちきゅう」は、昨年10月に清水港を出港し、紀伊半島沖の南海トラフで掘削調査を行っていました。海洋研究開発機構(JAMSTEC)によれば、「ちきゅう」は6月ごろまで清水港に停泊する予定だそうです。南海トラフの巨大地震の解明に向けて、海底下5200メートル付近のプレート境界を目指して深海底を掘削していました。科学掘削としては世界最深部となる海底下2836.5~2848.5 mからの岩石試料の採取に成功しました。
宇宙空間では、「はやぶさ2」が活動して、皆さんが在学中の2020年末には地球に帰還する予定です。「はやぶさ2」が目指す小惑星(162173)リュウグウは、太陽系が生まれた頃の水や有機物が残されていると考えられている星です。「はやぶさ2」が持ち帰るサンプルによって、地球の水がどこから来たのか、生命を構成する有機物はどこでできたのかという疑問を解くことになるかもしれません。

また、国連の提唱するSDGsのことをしっかり把握してほしいと思います。Sustainable Development Goalsのことです。2016年~2030年の15年間での達成を目標に掲げています。この大学のある静岡市は、SDGs未来都市?ハブ都市として「世界水準のまち」を目指しており、高い評価を得ています。静岡市で学生生活を送る中で、皆さんの1人ひとりが、このSDGsの目標を意識して、自らの未来の目標にしていただきたいと思います。

最後に本学の自慢の施設の一つを紹介します。草薙キャンパスの上の方へ行くと本学の薬草園があります。最近では生薬を直接研究テーマとする研究者が減少していますが、この大学の薬用植物園は、薬学部の教育に必要な植物の栽培と収穫および研究を行うこと、さらには静岡県民および一般社会人に対して生涯教育の場を提供することを目的に設置され、活動しています。標本園3300平方メートル、栽培圃場2000平方メートル、温室90平方メートルなどに、栽培植物約800種があります。平日には一般にも開放しており、見本園、温室は見学自由です。見本園の植物には、植物名、学名、科名、薬局方などの名称、利用部位、利用目的、成分、産地、原産地が記されています。植物の中には猛毒のものもあるということも、そこで学んでほしいと思います。今、薬草園の桜、桃、朝鮮レンギョウなどが、皆さんを歓迎して咲いています。ときには大学内の見学コースに入れてみてほしいと思います。

皆さんは、静岡県というすばらしい環境の中で、これからの学生生活を大いに愉しんでほしいと思います。在学の期間はあっという間にすぎていきます。学習とともに大いに静岡県を歩いて、その魅力を世界に向かって発信する人となって卒業していただきたいと思っています。
心身の健康に充分留意され、学生生活を送ってくださるよう祈って、私のお祝いの言葉とします。
おめでとうございます。ありがとうございました。

誓いのことば

新入生代表 看護学部 澳本さん

春の暖かい光が感じられるこの良き日に、私たちは憧れの静岡県立大学に入学することができました。本日は私たち新入生のために、このような盛大な入学式を執り行っていただき、誠にありがとうございます。

また、ただいま鬼頭宏学長、尾池和夫理事長、静岡県知事川勝平太様、県議会議長渥美泰一様から、暖かく心強い激励とお祝いの言葉をいただき、新入生一同感激しております。今日の新たな気持ちを忘れず、静岡県立大学生としての自覚と高い志を常に持ち、日々の勉学に励みたいと思います。

私は将来、看護師として地域、世界の人々の一助となれるよう、働きたいと考えています。今日、日本ではたびたび起こる災害時での看護の重要性が高まっていると共に、少子超高齢化が進み、医療に求められるものは増えるばかりです。そのような中でしっかりと役割を果たすためにも、人々の気持ちを理解し、尊重し、思いやりのある看護師を目指します。

静岡県立大学では、看護学に関する知識や技術はもちろんのこと、進歩し続ける医療や変化する環境に柔軟に対応できる実践力を身につけていきたいと考えます。

私たちは、今日から静岡県立大学生としての第一歩を踏み出します。新たな生活には不安もありますがそれ以上に、恵まれた環境で学ぶことへの喜びと期待があります。新たな出会いを大切にし、勉学はもちろん、様々なことに積極的に挑戦していきます。そして、社会に貢献できる人間になることを目指していきます。

そのためにも鬼頭宏学長を始め、諸先生方には厳しいご指導を、諸先輩方には温かいアドバイスをお願いいたします。本日入学を許可された私たち945名は、志す分野はそれぞれ違いますが、これからの社会の担い手となるため、今日の決意を忘れず、日々精進して参りますことをここに誓います。



(2019年4月9日)

モバイル表示

PC表示